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第15話 挨拶

Author: 甘梨鈴
last update publish date: 2025-06-17 17:00:41

 エマは右手で胸元を押さえ、頬を赤く染めて、涙を浮かべていた。

 初心な反応に、高揚感を覚える。

 ルシアンは薄く唇を開き、舌でぺろりと甲を撫でた。

「ひぁぁんっ」

 ビクンッとエマの体が震え、慌てて口を覆い隠す。

 エマの甘い声に、笑みが浮かぶ。

 ルシアンはさらに、手の甲から指先へと、舌でペロッと軽く舐めていく。

「ひゃんッ! ぁ……だ、ダメですっ」

「エマ。どうか、ルシアンと」

「んぁぁっ……ァッ、る、ルシアン、さまぁ……ぁぁっ」

 甘い刺激に耐えきれなかったのか、エマはとうとう降参した。

 名を呼ばれたことに満足して、ルシアンはようやくエマの左手を離した。

「ん、っ……ルシアン、様」

「エマ。怯えないで下さい」

 ぽろ、と涙をこぼすエマに、優しく微笑んだ。

 ハンカチを取り出すと、エマの左手を丁寧に拭う。

「る、ルシアン様っ」
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